50後半オヤジのオーストラリア一周 アドベンチャーツーリング  ~プロローグ編~

2023年11月19日ツーリング

ついに戯言が現実になる日が近付いてきた。
これまでも冒険は色々やってきた。
会社の長期休暇を活用してレンタカーでアメリカ横断、エジプトにバックパック、ケニアにサファリ&キャンプ、沖縄を除く日本全都道府県をバイクでキャンプツーリング。
思い付きで行ったこともあった。しかし、今回の冒険はこれまでとはちょっと違う。
50後半オヤジが一念発起で挑むオーストラリア アドベンチャーツーリング。

思い起こせば大学生の頃、バイクで広大なオーストラリアをキャンプしながら走ってみたい、寺崎勉さんの”さすらいの野宿ライダー”という書籍を読んで無性にそう思った。
そして大学3年生のとき友人と二人でその思いを決行することにした。
期間は夏休みの1カ月、初めての海外であり、初めての冒険旅行である。
プランは、シドニーからエアーズロックを目指す。当時は今のようにインターネットも普及しておらず、情報も皆無。現在ではネットで検索すると、海外をバイクでツーリングしている人も何人かいるようだが、当時は海外旅行自体がそんなに気軽に行けなかった時代だし、ましてやバイクで海外ツーリングなんて前人未踏だった。
何も分からない上に大した準備もせず、予算も貧乏学生のためアルバイトで貯めた30万円のみ。今冷静に考えるととんでもなく無謀だったと思う。
航空券で15万円、バイクは個人売買でボロボロのバイクを10万円で何とか手に入れた。なので、1か月分の生活費は残り5万円、これで何とかやるしかない。
食費を浮かすために米やインスタントの味噌汁などを持っていった。米に塩だけかけて食べる日も多々あった。野宿なのにテントも持っていなかったので、大学の厚生課で昔ながらの黄色い三角型テントを無償で借りた。
日本が夏なので南半球のオーストラリアは冬で大した装備も持っていなかったし寒くて凍えそうで辛かった。食べ物も満足に食べていなかった気がする。
だけど、すごく楽しかったしツーリング中は毎日充実していた。
初めての海外ということもあり、全てが新鮮だった。
しかし、残念なことにそれは長くは続かなかった。
友人のバイクが途中でエンジンが焼き付き、バイクでの旅はそこで終わってしまった。
やはり中古の格安バイクでは無理だった。
その後はバス旅行に切り替えたが、やはり何か違う。
その後帰国し、30年のサラリーマン生活が始まる。

オーストラリアツーリングで目的を果たせなかったため、会社員時代も心のどこかでモヤモヤしていた。
仕事やプライベートでも色んな国に行った。
冒頭でも記したように冒険旅行にも何度か行った。
オーストラリアには会社員時代にも2回行っている。そのうちの1回は奥さんとレンタカーで東河岸をシドニーからケアンズに縦断した。
でも何か物足りない。
「いつかオーストラリアをバイクで単独走破する」、ずっとそう思っていた。でも”いつかやる”=”ずっとやらない”ということであることも何となく気づいていた。

定年まで勤めあげ、その後にやりたいことやればいいんじゃない?なんて声も聞こえてきそうだけど、人間には健康寿命というものがある。同年代の知り合いが病気になったり、亡くなった人もいる。テレビで同世代の有名人が亡くなったいうニュースを見て、自分の人生ももう残り半分を切っていることを実感する。

自分自身は学生時代からずっと筋トレを続けているおかげもあり、周囲の同年代の男性に比べて健康や体力には自信があった。でも60歳を過ぎてもその状態を維持できる保証なんてどこにもないし、いつ死ぬかも分からない。
やるなら今しかない、これがラストチャンスだと思う。
子供はもう大きくなって手がかからなくなったし、奥さんも私の夢を理解してくれて背中を押してくれた。
会社を54歳で早期退職し、色々悩んだあげく踏ん切りをつけた。
身体が自由に動くうちにやりたいことはやる、そう決めた。

さあ、行くぞ!オーストラリア!!